さつきには多くの友だちがいた。
最初に付き合った彼氏に友人が多かったこともあり、彼氏の友達は友達なのである。
さまざまな友人と深くかかわり合うことはないけれど、何かという時にはさつきのアパートには誰かしら友人らが訪れていたのだった。
はづきがさつきのアパートを訪ねた時に、さつきの友人らが遊びに来ていた。
さつきの彼氏は仕事の都合でさつきと会えるのは一か月か二か月に一度だった。
さつきが一人で寂しい思いをしているんじゃないかと、彼氏の友人の中の数人がギターを片手にさつきのアパートに遊びに来ていたのだった。
彼らのギター演奏はプロ並みである。歌声も同じくプロ並みだ。
素晴らしいギター演奏と歌声をさつきは聞いた。
「ねぇ、彼らってさ、シンガーソングライターでデビューできるんじゃない?」はづきがワクワク感たっぷりに話をしていた。
そこには、暖かくてやさしい音が響く井戸があった。
井戸の水を減らさないよう、湧いて出るように祈りたくなる。
自分にあって他に無いもの、自分に無くて他にあるものって 数えきれぬほどたくさんある。
自分に無いものを見つけた時には、それを応援したくなり、何かできないかと試行錯誤するのがはづきの癖だったのかもしれない。
さつきは、はづきが言った事に大賛成した。
小さなコンサート企画を立てることを提案した。
プロデュースするってワクワクするんだよね。
小さなコンサート企画はあっという間に進んでいった。
若い女性なら惚れてしまいそうなくらい素敵な歌声の男子2人である。
成功しない訳が無いと決めつけるさつきとはづきだった。
歌う曲の選定を始めた。
それと共にさつきが曲を作り始めた。
ちょっとさみしい歌詞だけど、恋をして待つ寂しさを美しいメロディに仕上げていく。
コロコロとした小さいウズラの卵に素敵な色をつけて美味しい具材をまめらせてどんどん大きくしていくような、そんな感じ。
でっかくなったソレを二つ割りにしたらどんなに美しくて美味しいものになるかな?
そんな想像をしながらそんな想像も出来ない物ができた時に感嘆するような、的確な表現ができないようなそんな感情が涌き出して、みんなでワクワクした時間を過ごす事になる。
ミニミニコンサートは成功した。
観客はほとんどが女性で50人くらいかしら。
充分です。彼らの歌声に涙を流してくれた。
私がつくった曲を美しい声で歌ってくれた。
ただそれだけでも嬉しかった。
その昔もっと若かった頃、自分が小さいコンサートをやった時の事を思い出した。
矢沢えいちゃんの a day の時はピアノを担当した。その他の曲はキーボード。
コンサートって不思議だ。観客席と共鳴する熱い何かが渦を巻くんだよ。
今回は裏方傍聴者をさせてもらった。
歌っていいね。楽器っていいね。観客って素晴らしい。
いつの日かまたやりたいね。小さいホールでミニミニコンサートをさ。やりたいね。
はづきが言った。「ってかさぁ、三流ドラマのビデオを10倍速で見てる感じなんだよ。さつきさあ、コマーシャルが入ったと思ったら誰?いつの誰のどこでの話?って訳わかんなくなるよ。ほんっとに井戸端会議並みに話が変わってくわね。」
そういって笑った。続けて言う。「そこに写真でも挿絵でも入れなよ。もう少しわかりやすくなるからさ。
何なら色が違う井戸を書くだけでもいいわね。」
ま、確かに。思いついたままを思いついた言葉で書いておくってのはお空の雲と同じなのよ。
数秒前とこの瞬間の空の雲のカタチが違うのと同じなのさ。
紺青の空を映した井戸の水面が少し見えている。
・・・・・・。いつも書きかけ。
つづく
最初に付き合った彼氏に友人が多かったこともあり、彼氏の友達は友達なのである。
さまざまな友人と深くかかわり合うことはないけれど、何かという時にはさつきのアパートには誰かしら友人らが訪れていたのだった。
はづきがさつきのアパートを訪ねた時に、さつきの友人らが遊びに来ていた。
さつきの彼氏は仕事の都合でさつきと会えるのは一か月か二か月に一度だった。
さつきが一人で寂しい思いをしているんじゃないかと、彼氏の友人の中の数人がギターを片手にさつきのアパートに遊びに来ていたのだった。
彼らのギター演奏はプロ並みである。歌声も同じくプロ並みだ。
素晴らしいギター演奏と歌声をさつきは聞いた。
「ねぇ、彼らってさ、シンガーソングライターでデビューできるんじゃない?」はづきがワクワク感たっぷりに話をしていた。
そこには、暖かくてやさしい音が響く井戸があった。
井戸の水を減らさないよう、湧いて出るように祈りたくなる。
自分にあって他に無いもの、自分に無くて他にあるものって 数えきれぬほどたくさんある。
自分に無いものを見つけた時には、それを応援したくなり、何かできないかと試行錯誤するのがはづきの癖だったのかもしれない。
さつきは、はづきが言った事に大賛成した。
小さなコンサート企画を立てることを提案した。
プロデュースするってワクワクするんだよね。
小さなコンサート企画はあっという間に進んでいった。
若い女性なら惚れてしまいそうなくらい素敵な歌声の男子2人である。
成功しない訳が無いと決めつけるさつきとはづきだった。
歌う曲の選定を始めた。
それと共にさつきが曲を作り始めた。
ちょっとさみしい歌詞だけど、恋をして待つ寂しさを美しいメロディに仕上げていく。
コロコロとした小さいウズラの卵に素敵な色をつけて美味しい具材をまめらせてどんどん大きくしていくような、そんな感じ。
でっかくなったソレを二つ割りにしたらどんなに美しくて美味しいものになるかな?
そんな想像をしながらそんな想像も出来ない物ができた時に感嘆するような、的確な表現ができないようなそんな感情が涌き出して、みんなでワクワクした時間を過ごす事になる。
ミニミニコンサートは成功した。
観客はほとんどが女性で50人くらいかしら。
充分です。彼らの歌声に涙を流してくれた。
私がつくった曲を美しい声で歌ってくれた。
ただそれだけでも嬉しかった。
その昔もっと若かった頃、自分が小さいコンサートをやった時の事を思い出した。
矢沢えいちゃんの a day の時はピアノを担当した。その他の曲はキーボード。
コンサートって不思議だ。観客席と共鳴する熱い何かが渦を巻くんだよ。
今回は裏方傍聴者をさせてもらった。
歌っていいね。楽器っていいね。観客って素晴らしい。
いつの日かまたやりたいね。小さいホールでミニミニコンサートをさ。やりたいね。
はづきが言った。「ってかさぁ、三流ドラマのビデオを10倍速で見てる感じなんだよ。さつきさあ、コマーシャルが入ったと思ったら誰?いつの誰のどこでの話?って訳わかんなくなるよ。ほんっとに井戸端会議並みに話が変わってくわね。」
そういって笑った。続けて言う。「そこに写真でも挿絵でも入れなよ。もう少しわかりやすくなるからさ。
何なら色が違う井戸を書くだけでもいいわね。」
ま、確かに。思いついたままを思いついた言葉で書いておくってのはお空の雲と同じなのよ。
数秒前とこの瞬間の空の雲のカタチが違うのと同じなのさ。
紺青の空を映した井戸の水面が少し見えている。
・・・・・・。いつも書きかけ。
つづく
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